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淋菌の侵襲を受けた長大な重複尿道の假性尿道の病理組織的觀察
大井 鐵太郎
1
1東京醫科大學泌尿器科教室
pp.297-300
発行日 1952年6月1日
Published Date 1952/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200744
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尿道の内外側管が淋菌の棲息場所となり,其治癒に重大な關係のある事は既に古くから注目されて居る。又特に其大さ複雑な分岐性等が是に關與する事は佐藤(恒)博士,田林教授等の指摘せる所である。此事は副尿道に於ても同様である。輓近の化學療法は淋疾の治療に極めて良好である事から,是等の關係に相當の變化を及ぼす事も亦事實であるが,然し尚吾人の臨床では依然として尿道の内外側管炎として存在するものがある。又固有尿道から既に膿性分泌物を認めない場合でも重複尿道の假性尿道から明かに膿性分泌物並に淋菌を證明するものがある。余は罹患した長大な重複尿道を有する患者を一定の治療の後其全長を摘出し其組織像を觀察する機會を得たので茲に報告する。
文献;重複尿道に關する研究は恐らくは本邦り佐藤(恒),日下氏等の記載に略盡されて居るかの感がある。又珍稀な症例としては市川(篤)教授,木下,佐藤,日下氏等の報告がある。
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