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第51回日本皮膚科學會 第40回日本泌尿器科學會 見聞記
笹川
,
T生
pp.260-262
発行日 1952年5月1日
Published Date 1952/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200732
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第51回日本皮膚科學會の印象
第51回日本皮膚科學會總會は昭和27年4月3,4日岡山大學醫學部第一講堂に於て開催,300餘名の參會者があり,盛會であつた。開會に次で今回,優秀な性病研究に對し新に設けられた皆見賞が緖方富雄東大教授の「梅毒血清反應の改良」に對し福岡の皆見省吾博士から授與された。荒川忠良教授(徳島大)の宿題報告「皮膚疾患と素因」は第1日の4日午前11時より1時間餘に亘つて行われ,聽者に多大の感銘を與えた。これは皮膚疾患にその發生,展開の場としての皮膚の性質及び機能がいかに關與するかを問題とし,皮膚の血液量,温度,毛細管抵抗,血管滲出性,皮膚反應,皮膚の結合乃至遊離水分透過性,光線感受性,皮膚靜電位等が皮膚疾患の先天的素因としての年齢,性別,部位別に依り,又後天的素因としての食餌,内分泌,神經支配,藥物,内臓疾患等に依り如何に變化するかを精細に檢討したものである。このうち皮膚血液量の測定には演者が考案した照度を應用する新装置を用い,其他にも種々新しい創意が盛られているが,これを要するに從來の皮膚疾患を組織學的乃至全身血液を檢體としての生化學的な立場から見るのと異り,皮膚疾患發現の場となる皮膚部位の上記の諸性質及び機能に前記先天的及後天的素因が如何に影響するかを見たものである。
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