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皮膚科學會總會の記
川村 太郞
pp.208-211
発行日 1947年12月20日
Published Date 1947/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200059
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終戰後第2回目の日本皮膚科學會總會は例により日本泌尿器科學會総會と合同で,日本醫學會の第29分科會として昭和22年4月1日,2日の兩日大阪帝大竹尾結核研究所講堂で開催せられた。昨秋の新潟に於ける總會から日の淺いにも拘らす宿題も一般演説も共に内容充實し,且演題の數も多く,皮膚科癩科を合して68題,更にその他に第2日の午後に行はれた梅毒科の演題が13題あつた。時間の關係で,遺憾ながら多數の演題が省略せられた。以下演説されたものゝ大要を綴つてみる。
宿題『鼠癩』は擔當者阪大皮膚科谷村教授が年來の蘊蓄を傾けて行はれた演説で,その要旨は次の通りであつた。人癩の動物接種及び培養は,共に現在の所はつきりと成功したとは云ひ兼ねるから,人癩の病理及び治療法を關明するためには,人癩と種々の點でよく似て居てしかも動物に接種することの出來る鼠癩の實驗的研究が必要である。演者は西村氏と共に所謂鼠癩菌中,培養が不能で動物接種成績か陽性であるものを眞性鼠癩菌となし,培養が可能で動物接種の不能のものを假性鼠癩菌としたが,最近占部薫教授か特殊の方法(後述)て眞性鼠癩菌と思はれるものの培養に成功したから,演者も認める如く,上述の分類の定義は多少改變せられなければならない。
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