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日本産科婦人科學會見聞記
pp.439
発行日 1953年7月10日
Published Date 1953/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200874
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第5回日本産科婦人科學會の總會が新緑のもえ出はじめた新潟市で5月10日から3日間開かれた。東京ではかなり氣温が高いのに途中汽車の窓からながめられる白雪におおわれた山々は實に美しかつた。新潟駅についてみると中山會長が自ら駅頭に立つて出むかえなど萬端活動しておられて恐縮しながらそれぞれ所定の宿につく。會員へのサービス,會場の設備の細かい點にいたるまで文字通り行きとゞいて會長はじめ,地元の方々,新潟醫大の方々などの周到な準備に感謝したことだつた。會場にあてられた公會堂は他で見られないほどの收容力と設備を持つた立派なものである。參會者約1500名といわれるが適當の廣さであつた。年々參會者がますようだから,これからは會場に苦心するほどである。本年は基礎研究部門と臨床研究部門とに會場をわけて同時に開き,前者は80題,後者は70題で,これに採用しにくくかつたものは誌上發表として69題あつた。限られた會期に行うのであるから何等かの方法で制限されるのは會期を延長しない限り不可能である。たゞ演題の分類,また誌上發表の撰擇についてはむずかしさがあるから批判があつても止むを得まい。たゞ誌上發表のものは内容が落ちるという考え方があるとすればかなり批判の餘地があろう。
第1會場は廣くて基礎研究部門にあてられたが,スライドを用いていても適當な明るさが保たれており,マイクロフオンも好調で,スクリーンその他申し分はなかつた。
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