--------------------
第54回日本眼科學會總會記
中村 康
pp.175
発行日 1950年4月15日
Published Date 1950/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410200571
- 有料閲覧
- 文献概要
本年度の日眼総集会は其開催中天候にめぐまれず,從つて京都見物にはあまり良い日取ではなかつた.然し学会としては却つて出席率が良かつたと思ふ.第1日(2日)は日曜日でもあり,非常に盛会で聽講者堂に満つと言ふ状態である.第1日は出席者名をとつてゐたので出席數は判明してゐるだろうが,第2及第3日は出席者名をとらぬので人數は不明であつたと思ふ.会場は立派な講堂で設備は非常に良く整へられてゐた.從來学会の費用は開催地の学校が負擔したのであるけれども,今年からは日眼で負擔し事務だけ司会学校が面当を見る事になつた.然し今此会場の設備を見ると,8万円許りの金では出來そうにない準備に弓削教授の御苦心を推察し,且つ骨折りを感謝すると共に來年度から費用の点に考へ直す必要があると思ふ.
評議員,理事及会長撰出の件は会員諸君の声を聞いて見ると考慮すべき点が少しないかと若い連中の希望を聞いて善処すべきであると思つた.官立大学教授は推薦されて私立大学教授は推薦されないと言ふ規側はない筈だが,此官尊民卑が堂々と行われているから若い諸君の噴概の種となる.学会は官立の独占のものでないと言ふ.もつともと思ふ.評議員会としても堂々と之に意見をのぶべきであつたと思ふ.正しい批判があつて然るべきだ.又評議員の選出をブロツク制にせよと言ふ.
Copyright © 1950, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.