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第52回日本皮膚科學會總會 第41回日本泌尿器科學會總會 見聞記
笹川
,
籏野
1
1慶大
pp.377-379
発行日 1953年6月1日
Published Date 1953/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200992
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第52回日本皮膚科學會總會
第52回日本皮膚科學會總會は第41回日本泌尿器科學會總會に引續き,昭和28年4月6,7日九州大學醫學部中央講堂に於て開催,極めて盛會であつた。本年度の皆見賞は千葉大學の故並木重郎教授及びその教室員の『驅梅療法成績の統計的觀察法』に對し皆見九大名譽教授から授與された。樋口謙太郎教授(九大)の宿題報告『抗生物質による梅毒の治療及び豫防』は6日午前11時から12時迄1時間徐に亙つて行われた。ペニシリン驅梅療法はその用量,用法,遠隔成績についてはまだ一定のものが確立されていないので,この宿題報告はその點で甚だ教えられるところが多かつた。樋口教授は先づ250餘例の治療成績から早期梅毒は300萬單位,單獨療法で驅梅の目的を達し得るが,潜伏梅毒では600萬單位を必要とし,且併用療法が勝れており,先天梅毒は2年以降になると治療率が甚だ低下すると述べ,一方ペニシリン耐性の發生はその懸念先づなしと云い,ペニシリン以外の抗生物質ではオーレオマイシン,テラマイシン,クロゝマイセチンは早期梅毒,殊に硬下疳に有效であるが,副作用あり,ペニシリンに比して勝ると云えないと,尚之等の藥劑の實驗梅毒に對する單果を檢討して臨牀效果の裏付けを試みた。
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