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再び潰瘍性尿道側患炎(佐藤(恒)氏の閉鎖性内尿道側管炎)に就て
田林 綱太
1
,
大井 鐵太郎
1
,
佐々木 壽
1
1東京醫科大學泌尿器科教室
pp.209-212
発行日 1952年5月1日
Published Date 1952/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200717
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I緒言
近代の化學療法特に抗菌性物質の出現により淋疾の災害は非常に輕度となつた事は周知の事實であるが,然し是に依つて未だ完全に撲滅し盡す迄に至つていないことも事實である。
即ち慢性淋として存在するものが相當數ある。茲に前立腺の問題は暫く措き,尿道淋で其經過を最も惡くし且つ實際の治療上各種の藥物其他の治療に拮抗し,又將來の狭窄等に關係のあるものとして先ず第一に堅げられるものに本症がある。然るに本症の研究業績の尠いのは,其成立が時期的に不明瞭である事,尿道は随時に随所を摘出する事が困難である點等がその原因であると考えられる。余等は茲に本症の2例を詳細に觀察の上摘出する事が出來たので既に田林の報告した症例と對比して再び本症の検討を試み,各位の教示を仰ぐ次第である。
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