増刊号特集 泌尿器科治療薬マニュアル—私の処方箋
疾患別薬剤投与プロトコール
感染症
尿道炎
小野寺 昭一
1
1東京慈恵会医科大学青戸病院泌尿器科
pp.122-124
発行日 1993年3月30日
Published Date 1993/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413900867
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尿道炎の現況
尿道炎のほとんどはSTD(SexuallyTransmitted Diseases)性のものであり,大きく,淋菌性尿道炎と非淋菌性尿道炎とに分けることができる。非淋菌性尿道炎の原因微生物としては,Chlamydia trachomatis(クラミジア)が最も重要であり,非淋菌性尿道炎の30〜50%はこのクラミジアによるものとされている。また,淋菌性尿道炎の20〜30%はクラミジアを合併しているため,現在ではSTD性尿道炎を,淋菌性,淋菌性クラミジア性,クラミジア性,非淋菌性非クラミジア性の4つに分けるようになってきている。
淋菌性尿道炎の患者数は,1984年頃をピークとした増加がみられたが以後横這い状態となり,近年は減少傾向が続いている。一方,非淋菌性尿道炎は1979年以後増加しており,1986年頃からは淋菌性尿道炎の約2倍の患者数がみられている。
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