皮膚科圖譜・16
敗血症性膿瘡/皮膚腺病
山田 實
1
1東大
pp.207-208
発行日 1952年5月1日
Published Date 1952/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200716
- 有料閲覧
- 文献概要
24歳,男,昭和22年右第1趾が化膿し壊疽性となり,瘢痕治癒した。以後屡々同樣の化膿巣が下肢,腰部等に多發,その都度ペニシリシ,オーレオマイシンで一應は治癒した。特に本年1月以來頸,腰,下肢に初め硬結を伴つた紅斑乃至小膿疱が頻々として發生,その多くは中心部壊死して,邊縁鋭利な,底面は膿に蔽われた深い潰瘍と變じた。引績き39℃の弛張熱があり,血液培養で連鎖状球菌陽性,組織學的に潰瘍深部の器質化した靜脈腔内に連鎖状球菌を認めた。一時ズプロナールが奏効したが,その後無効,発身衰弱し,古鎖骨上の潰瘍深部から出血著しく,辛うじて止血したが,その後終に死亡。血液培養及組織所見から表題の診斷を下した。
Copyright © 1952, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.