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Polyethylene Glycolの性状並にその皮膚科的應用
小堀 辰治
1
,
山田 實
1
,
久木田 淳
1
,
池永 實
1
1東京遞信病院皮膚科
pp.586-595
発行日 1951年12月1日
Published Date 1951/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200635
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I.まえがき
われわれはさきに基礎膏に關する研究を行い,とにかくも在來の油脂性の基剤を脱却して,清潔な水で洗い落すことが出來,美容的にも效果的にもはるかに優れた基礎膏に轉換することに成功した。しかも,著者等の竊かに誇りとする所は,これ等の研究を通じて,在來の主として經驗的に發達してきた膏藥療法に,皮膚吸收の面がら理論的にこれを展開せしめ得る基礎を與え得たことである。又更に濕疹等の皮膚炎症に對する外用療法の根本原理とも思われる一つの法則を發見し,今後のこの種の療法に指針を與え得たことも,著者等の喜びとする所である。
扨,これ等新基礎膏剤は,著者等の考えでは,乳剤性軟膏と水溶性軟膏に大別するのであるが,この兩者は基礎膏機能の面に於て互に相反するものであり,この兩者相俟つて皮膚疾患外用療法を完成する恰も車の兩輪の如きものであると信ずる。このような考えはアメリカに於ても未だ知られざる事柄であつて,我等の特に強調する所である。
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