臨床實驗
Polyethylene glycol(Carbowax)の眼軟膏としての應用性(第2報)
岸本 正雄
1
,
柴田 明子
1
1京大眼科
pp.401-404
発行日 1951年6月15日
Published Date 1951/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410200881
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組織切片標本作成の迅速包埋用として最近その應用性の賞讃されているPolyethylene glycol(Carbowax)の分子量1500程度のもの即ち,"Carbowax 1500"が丁度ワゼリン樣の硬度を保持し,且つ親水性が高度で水に極めて易溶且つ水に溶解すればグリセリン樣となり幾らかの粘稠度を持つことに着目し,之が點眼用軟膏基劑として使用可能であるかどうかの基礎的實驗を行つた結果,點眼直後暫時の輕い疼痛と結膜に對する輕微な刺激のある以外には組織損傷作用なく,點眼用軟膏基劑として使用可能の旨を曩に第1報(眼臨,45(1):13,昭26)として報告し,その際之に藥物を含有せしめた場合にワゼリン或は水溶液と使用上の優劣比較については引續き實驗報告を行う豫定であることを附記しておいた。今回は著名な散縮瞳劑を指標として"Carbowax"を基劑として用いた場合の吸收滲達作用を,ワゼリン,水溶液を用いた場合のそれと,主としてその遲速について比較檢討したのでその結果を報告する。
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