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瘙痒性皮膚疾患並に色素沈着症に於けるイオントフオレーゼ療法の應用
大越 富彌
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1福島醫科大學皮膚泌尿器科教室
pp.165-167
発行日 1954年3月1日
Published Date 1954/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201170
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緒言
イオントフオレーゼ(以下「イ」と略記)は約200年の歴史を有し,Franz Wirzに從えば1745年Pivattiに依り始めて試みられたと謂われる。我が國では,1910年早野がトラコーマに硫酸銅の「イ」を用いて著効を收めた報告を嚆矢とするが,皮膚領域では故並木教授の詳細な研究が注目される。
最近皮膚科領域に於ける「イ」療法としてはPopkinの鞏皮症に於るヒアルロニダーゼの應用Inman,Shelleyの抗ヒスタミン剤の應用,Schuppliの色素沈着症に於けるビタミンCの應用,及伊藤教授の硫酸銅による尋常性白斑の治療等報告されて居るが,尚其數は多くない。著者は瘙痒性皮膚疾患に抗ヒスタミン劑を,色素沈着症にビタミンCを應用して「イ」療法を試み,在來他療法により難治とされるものに多少の効果を收めたので,以下少數例であるが報告する。
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