臨床實驗
オーレオマイシンの眼科的應用
吉岡 久春
1
1長崎大學眼科
pp.295-299
発行日 1952年4月15日
Published Date 1952/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410201128
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緒言
近年種々の抗菌性物質が次々に見出され,各方面に注目されている。其の中でも,ペニシリン,ストレプトマイシンの眼科的應用に就ては色々報告されているが,オーレオマイシン(以下「オ」と略す)の眼科的應用に關しては,外國では,Braley & Sanders,Bellow,Richardson and Farmer,Cndrew deRoetth,Duke-Elder,Zeller and O'Conner,Thygeson and Hogan,Gunder-sen,D.C.Elliott,G.A.Sheehan,B.C.Gettes,A.C.Woods.本邦では,三井,田中,香川等の報告があるのみである。
「オ」はStreptomyces aureofacienceと云う新放線菌の生産する黄金色鹽基性の抗菌性物質でグラム陽性,陰性の細菌の外,リケツチア,ヴィルス等によりて起る疾患の中,ある種のものに應用して極めて有効であると報告されている。又「オ」の特長としては,病原體が本剤に抵抗性を得がたく,毒性が少なく,且經口的に投與して,高い有効血中濃度が得られ,良く奏敷する事等である。
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