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ひがた(温熱性持久性大理石樣皮斑)から發生した皮膚癌の2例追加
中村 滿夫
1
1岩手醫科大學皮膚科泌尿器科教室
pp.145-147
発行日 1951年3月1日
Published Date 1951/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200484
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緒言
温熱性持久性大理石樣皮斑(俗にヒガタ)(以下温熱性皮斑と略す)が癌前驅症の1種であると云う事實は,本邦に於ける伊藤教授及び增田,岩動兩氏の症例から肯定される。前者の1例は20數年常用した懷爐に依る温熱性皮斑から,後者の2例は長期間に渉る爐火の影響に依る温熱性皮斑から夫々癌の發生を見たもので,殊に增田,岩動はその2例に於て癌への移行状態を明確に追求することが出來,又その發生部位には特長があつて,即ちその癌性變化は下腿前方の上1/3の下界附近を占居することを指摘して,假りに「爐火癌」と命名し,山間寒冷地方特有の症例であることを報告した。最近偶々温熱性皮斑から將に癌性變化に移行せんとする1例と,既に皮膚癌を形成した1例とを經驗したので,茲にその2例を追加する。
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