Japanese
English
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経靜脈性脂肪輸入に関する研究
Intravenous Administration of a Fat Emulsion
日笠 賴則
1
,
麻田 栄
1
,
財津 晃
1
,
塚田 朗
1
,
仲田 淸尚
1
,
菊地 宏文
1
Yorinor HIKASA
1
,
Sakae ASADA
1
,
Akira SAITSU
1
,
Akira TSUKADA
1
,
Kiyotaka NAKADA
1
,
Hirofumi KIKUCHI
1
1京都大學醫學部外科第二講座
1II. Surgical Clinic, Kyoto University Hospital
pp.267-271
発行日 1952年6月20日
Published Date 1952/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407201029
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吾々は術前,術後の非経口的栄養補給のうち,脂肪のそれのみが殆ど研究されて居ない点にかんがみ,京都大学理学部物理化学教室帰山亮教授指導のもとに,靜脈内注入も安全な脂肪乳化剤の作製に努めた結果,15〜20%脂肪乳化剤の作製に成功した.然し乍らこの吾々自らが作製した乳化剤が靜脹内書注入された場合果して如何なる過程を経て利用されるかという点が問題である.併し乍ら吾々はこの点に就て現在猶討究中であるから,此処に述べる報告も今日迄に判明した点のみに限る.
本剤を家兎の耳靜脈から注入すると第1図の如く注入脂肪は速やかに血中から消失するが,吾々の行つた組織顯微化学的檢査によれば血中から消失した脂肪球は第1図の如く肺臟の所謂肺胞貪食細胞である肺胞壁組織球,肺胞上皮細胞,及び毛細管内皮細胞に攝取される.(SudanIV脂肪染色法)次いで肺細胞内に攝取された脂肪球は第2図書示す様にSmith-Dietrich氏リポイド染色法を施しますと明らかに脂肪酸及びリポイドに変化して居る事が判る.
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