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海外トピツクス
pp.436-437
発行日 1950年10月1日
Published Date 1950/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200415
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皮膚病と精神醫學
イギリスの醫學王立協會(Royal Society of Medidne)によつて本年4月に催された討議會の題目は"精神醫學と皮膚科學との關係"であった。まずDr. MacKennaが開會の辭を述べ,次いでBockerおよびCbermayerによる神經皮膚症の分類にもとずいて,感情障碍に歸せられる皮膚反應には,一方において限局面に慢性の血管擴張を呈する酒皶から,脱毛のほか觸知すべき變化の見られぬ圓形禿髪症までさまざまな症状が存し,他方においては血管擴張極微で著しく小水疱を形成する汗疱から,丘疹を形成する諸型の苔癬まで種々の皮膚變化が認められることを指摘した。そして,精神緊張に起因する,かくも多種の皮膚反應の機序は,單に精神醫學者および皮膚科學者のみによつては解明せられず,そのためには生理學者,生化學者および内分泌學者の協力を必要とする。それは,これらの疾患の原因が心理的のものであるにしても,その發症は皮膚における生理學的および化學的變化によるからであるとした。
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