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海外トピックス
pp.260-261
発行日 1950年6月1日
Published Date 1950/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200365
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ウンデシレン酸の内用
汗庖状白癬に對して脂肪酸およびその鹽が奏効することはすでによく人の知るところであるが,そのなかでも特たウンデシレン酸がアメリカにおいて多く用いられ,わが國においても次第に廣く使われている.これは炭素が11個鎖状に竝び1個所に2重結合のある不飽和脂肪酸である.ところが汗疱状白癬似外の白癬に對して外用によつてはそれほどの効果が見られないので,Perlmanその他經口的投與を試みた.その結果はやはり思わしいものではなかつたが,偶然乾癬患者に内服せしめた成續がはなはだ顯著であつたので,系統的にその研究を行つた.使用法としてはウンデシレン酸0.44gを含む丸藥を1日3回15粒ずつ服用させた.從來の治療に頑強に抵抗した乾癬41例を選んで治療したのであるが,12例は著効を呈し,15例は輕快を示し,効果は2週〜2ヵ月半で現われた.特に乾癬性關節症は8例中7例まで疼痛が減退した。Perlmanのこの新療法はアメリカの有名ないくつかの一般雑誌にまで掲げられ,乾癬の多いその國の一般人の問にはなはだしく注意を喚起した.そこで民間醫はこの療法が本當に適用償値を有するか否かを知る必要に迫られ.J.A.M.A.の質疑應答欄に質問となつて現われた.
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