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海外トピックス
pp.834
発行日 1959年8月1日
Published Date 1959/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202620
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乳製品中のペニシリンによる慢性蕁麻疹そのペニシリナーゼによる治験
M.C.Zimmermanによると,米国では,1000人以上の人が,Pc.による反応で死亡しているが,此の反応は漸時増加の傾向があり,増加の原因の相当の部分は,牛の乳腺炎の予防に用いられたPcが乳製品中に混在している事にあると云う。彼によると,米国の全乳牛2600万頭の25%に当る650万頭が乳腺炎に罹患して居り,乳腺炎に罹つたものの牛乳は,その出乳量で50%,脂肪含有量で25%を減ずるので,此れの予防にPcが賞用されるのであるが,1946年には2万単位のPcを用いていたのに,1950年には100万単位ものPcが肘いられる様になり,少くてもその49%が牛乳中に認められると云う。F.D.A.の抗生物質部長Henry Welchが1957年 「Pcを含む牛乳の飲用によりPcの反応を起した例を知らない」と云う声明を発表したのに対し,Zimmermanは例の乳製品中に含まれるPcによつて起つた慢性蕁麻疹の症例を述べ,次の理由により,明らかに乳製品中のPcにより起つたものであるから,現在ではF.D.A.の声明を訂正すべきであると主張している。即ち,
1) 全症例共,以前に典型的なPcのアレルギー反応を起したことがあり,
2)乳製品の摂取により以前起したと同じ症状を呈したこと。
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