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海外トピックス
pp.215-216
発行日 1950年5月1日
Published Date 1950/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200351
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放線菌病の診斷と治療
從來適當な治療法の存しなかつた放線菌病に對してスルフォンアミドおよび抗生物質の有効であることが次第に多く報告せられるにつれて,この疾患に對して新たに關心が拂われるようになつた.
イギリスの著名な本症研究者Copeは,放線菌病の誤診の第一は醫師の頭の中にこの病名の忘れられていることによると警告している.特に頸部,胸部,右下腹部において排膿する病巣をみたときには必ず本症を想起すべきである.疑わしい場合ににまず鏡檢によつて放線菌の存在を確めるわけであるが,本症病巣は容易に二次感染を受けることを忘れてはならない.輕率な檢査によつては雑菌しか認められないことがしばしばである.培養を試みるときにに嫌氣性と好氣性とをともに行う必要がある.Mayo Clinicにおいて本症について詳細な研究を行つたWeedその他は菌學的檢査によつて診斷を正確にすべきことを強調し,出來得るなら培養によつて菌種の同定を行うことが治療法の選擇に必要であるという.そして多くの誤りに單に臨床的にのみ診斷を下す場合に生ずることを指摘している.
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