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内外文献抄録
pp.262-267
発行日 1950年6月1日
Published Date 1950/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200366
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皮膚科
外國文獻
天疱瘡に於けるヒアルロニダーゼによる水疱の形成
hyaluronic acidに水と結合してgelの状態を保つているが,hyaluronidaseにより加水分解を受け水を遊離して水疱を形成するというMacCardle等の報告から,M.L.Grais (J.Invest.Dermat.15:221,1949)は,最初の水疱形成から死亡迄11週間の経過であつた天疱瘡の62歳の婦人に於て,死亡前12日に0.05ccのhyaluronidaseを皮内注射し,間もなく注射部位に潮紅を來し,翌々日には水疱を形成したのをみた.他の部に行つた食鹽水注射では反應なく,熱處理したhyaluronidaseでは輕度の發赤と硬結を生じだが,水疱は形成しなかつた.後に輕症天疱瘡の男子4例に同じ試驗を試みたが,不成功であつた.この現象の説明には今後の研究を要する.
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