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皮膚結核症の化學療法
谷奥 喜平
1
1東京大學醫學部皮膚科教室
pp.113-120
発行日 1949年3月1日
Published Date 1949/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200165
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緒論
結核の化學療法には1890年Robert Kochによりシアン化金カリウム(Aurum-kaliumcyanatum)が試驗管内で結核菌に對して著明な發育阻止作用を有することが發表されて以來,枚擧に遑のない程種々の化學製劑が或は實驗的結核に或は人體結核に試みられたが,結核に對して決定的の効果を認めるものは見出されなかつた.しかし1938年Ballon及びGuernon, Greey, Ca-mpbell及びCulley, Rich及びFollis等によつて,スルファミンが結核に用ひられ,Hinshaw,Feldman並にPfuetZeによるプロミン,ダイアゾン及びプロミゾールの,更にHinshaw及びFeldmanのストレプトマイシンの抗結核性が發表され,他方Faget並にPoggeによりプロミン,ダイアゾン及びプロミゾールの治癩効果が唱導されるに及んで,漸く人結核の化學療法の可能性が考へられるやうになつた.茲に本誌の編集者から課せられた題目として皮膚結核症の化學療法の綜説を試み,これに我その方面の小經驗をつけ加へることゝする.
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