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2・3皮膚結核の診斷にたいする基準
Michelson Henry E.
1
1Mipnesota大學皮膚科
pp.120-125
発行日 1949年3月1日
Published Date 1949/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200166
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皮膚科を專問とする者には周知であるやうに,げられた.われわれは結核全般の進歩にも絶えす接觸を保ちながら,新事實のあらはれるたびごとにこれを皮膚結核に適用しようとした.しかし現在のわれわれのかなり豊富な知識や,進歩したアレルギー及び免疫學のすべてを以てしても,皮膚結核諸型の形態が甚だしく異る理由を説明することはできない.
結核菌を培養と接種とによつて尋常性狼瘡の病巣内に證明したことは,この皮膚病の結核性を確定した一大進歩であつた.これより前からいくつかの皮膚病は,狼瘡と密接な關係があるとされてゐた.そして,狼瘡より餘程おくれてからではあつたが,そのうちのあるものは,例へば痤瘡疹(acnltis)のやうに,結核菌によることが實證された.またそのほかの皮膚病に於ても,結核性が確定され,あるひはそれの甚だしく疑はれるものが,次第にその數を加へた.それにつれて結核に關係があるといふ考へ方が,あまり定義の確かでない多くの皮膚病變に適用された結果,今日に至るもなほ,信ぜられぬほどに混亂を招いてゐる症状名がつぎつぎとつくり出されることになつたのである.
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