特集 眼科臨床の進歩Ⅰ
眼結核の化學療法
生井 浩
1
1九大眼科
pp.803-810
発行日 1952年11月15日
Published Date 1952/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410201306
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
Ⅰ)眼結核に對する藥劑の治療効果判定上の注意
眼結核は身體の他病巣特に肺及び其の所屬リンパ腺の結核病巣より放出された結核菌が血流に乘じて眼組織に到達する事によつて惹起される。從て眼結核は内因性の再感染病變であり,結核アレルギー性病變である。
今日迄結核アレルギーに關する研究は病理形態學,細菌兔疫學,生化學及び臨床醫學の各方面より行われ,微に入り細を穿つているが,各學者の得た結果が必ずしも一致しない關係上,其の概念に關しては著しい混亂がある。本稿に於て結核アレルギーに關する問題に深く立入る必要はないけれども,現在迄眼科の諸雑誌に記載された所を見ると「結核のアレルギー病變」の意義を限定されたものにとり,「結核菌によるものでなく,結核菌毒素の到達によつて惹起され且結節を作らない病變」という風に解している人が少くない樣に見受けられる。
Copyright © 1952, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.