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ヘモクロマトーゼの1例
松本 芽
1
1東北大學醫學部皮膚科教室
pp.118-121
発行日 1948年8月1日
Published Date 1948/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200097
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Haemochromatoseなる名稱はRecklingha-usenが1889年結核、惡性貧血、惡液質等に由つて來る臟器のチヨコレート色の色素沈着に對して與へたものである。然しかかる事實は既にTroi-sier(1871年)以來Quincke, Tillmann, Hin-denlang等により記載されて居り、糖尿病を伴ふ事が多い故にフランスでは青銅糖尿病と呼ばれその三大特徴として肝臟肥大、皮膚色素沈着、糖尿が擧げられて來た。爾來Borkに依れば1926年迄に111例を數へ其の概念にも幾多の學者の研究により變轉を來し今日では一獨立疾患として認められてゐる。本症は歐米にては相當數の報告があるが本邦に於ては未だに報告がない樣である。余は最近その例を經驗したので此處に報告する次第である。
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