Japanese
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今月の症例
ライム病の1例と慢性遊走性紅斑の1例
A Case of Lyme Disease and a Case of Erythema Chronicum Migrans
本間 光一
1
Koichi HONMA
1
1釧路赤十字病院皮膚科
1Division of Dermatology, Kushiro Red Cross Hospital
キーワード:
ライム病
,
慢性遊走性紅斑
Keyword:
ライム病
,
慢性遊走性紅斑
pp.1105-1108
発行日 1989年10月1日
Published Date 1989/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204223
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症例1は42歳,男.右腋窩のダニ咬着にて当科受診し,虫体除去した.直後から紅斑が出現し,3週後紅斑が急速に拡大し,4週後微熱,全身倦怠感,関節痛が出現し再診した.ダニ咬着部を中心として長径30cmにおよぶ淡紅色斑を認めた.中心部から皮膚生検したが,銀染色でスピロヘータは証明できなかった.血清Borrelia burgdorferi抗体陽性でライム病と診断した.セフェム系内服で皮疹と全身症状は消失したが,皮疹のみ再発しminocycline内服で治癒した.症例2は49歳,女.左肩のダニ咬着で他院の治療を受けたが,5週後紅斑が出現し7週後当科受診した.咬着部を中心として左上背部から左上腕にかけ径22cmの環状紅斑を認めた.ペニシリン系内服で治癒した.Borreliaburgdorferi抗体は確認されず,現時点では慢性遊走性紅斑と診断した.
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