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マフアルセンによる梅毒治療成績
加納 魁一郎
1
,
小出 良金
1
,
稻坂 淸
1
,
岩田 忠男
1
1名古屋大學醫學部皮膚科教室
pp.45-51
発行日 1948年7月1日
Published Date 1948/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200073
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I.緒言
マフアルセンは終戰後米國進駐軍により我國に紹介され目下梅毒撲滅の爲め活用されつつあるが、之はペニシリンの如き最近の化學藥品ではなく米國では1935年より臨床的に實驗されておるが我國には全然輸入されておらず、從つて我國にては戰前は勿論戰後に於てもマフアルセンに關する纒つた文献は一つもなく第46囘日本皮膚科學總會に於て初めてマフアルセンによる驅梅成績と題して北大、新大、金大、名大、岡大より登壇し各種論説が行はれたに過ぎない。
余等は昭和21年12月以來、現在迄300餘名の梅毒患者に對しマフアルセンによる治療を試みたが1囘乃至4—5囘の注射のみで中止したる者も相當多數あり完了せる13名と多少とも結果の分る迄通院加療した患者185名に就て現在迄の驅梅成績を報告、合せて些か私見を加えんと思ふ。
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