特集 Structural Heart Diseaseインターベンション—「新しい」インターベンションのすべて
Ⅰ.TAVI
冠動脈疾患合併例に対するTAVI
長沼 亨
1
1新東京病院心臓内科
pp.188-194
発行日 2018年4月1日
Published Date 2018/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1438200136
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Point
・経カテーテル大動脈弁植込み術(transcatheter aortic valve implantation;TAVI)前の冠動脈完全血行再建は議論のあるところ(少なくとも,必須とはいえない).
・冠動脈ステント留置術(percutaneous coronary intervention;PCI)を先行すると,抗血小板薬2剤併用療法(dual antiplatelet therapy;DAPT)下にTAVIを施行することになり得,TAVI周術期の出血性合併症のリスクが懸念される.
・植込み時に高頻拍ペーシングが必要となるバルン拡張型のEdwards Lifesciences社 SAPIENは,XTから3に進化したことで,前拡張の必要性が乏しくなった.また自己拡張型のMedtronic社CoreValve/Evolut-Rはそもそも高頻拍ペーシングが必要でない.つまり現在の新世代人工弁を用いた洗練されたTAVIストラテジーでは,意図的な血圧低下,冠血流低下時間が極めて短く,冠動脈狭窄のインパクトが小さくなっている.
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