特集 呼吸器感染症治療薬の上手な使い方—症例から紐解く達人の技
Ⅲ.肺炎
MRSA肺炎の抗菌薬はどれが有用なのか?
川波 敏則
1
,
矢寺 和博
1
1産業医科大学医学部呼吸器内科学
pp.456-461
発行日 2017年8月1日
Published Date 2017/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1437200060
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Point
・呼吸器からMRSAが分離されたとしても,必ずしも肺炎の原因菌とは限らないが,大葉性肺炎であればMRSA肺炎の可能性は低く,下気道検体の定量培養(>106CFU/mL)やMRSAが単独で培養されれば,MRSA肺炎の可能性が示唆される.
・MRSA肺炎の治療を行う場合は,LZDもしくはVCM,TEICが第一選択薬であり,LZD以外の抗MRSA薬を使用する場合は,TDMにより安全性を担保しつつ十分な投与量となるように調整を行う.
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