報告記
ヴェトナムでの脳神経外科分野短期技術協力—Part1. microscopeの導入
羽井佐 利彦
1
,
原 徹男
1
,
近藤 達也
1
,
秋山 稔
2
,
朝日 茂樹
2
1国立国際医療センター脳神経外科
2国立国際医療センター国際医療協力局
pp.1054-1056
発行日 1997年11月10日
Published Date 1997/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436901489
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国際協力事業団(JICA)は,ホーチミン市にある国立チョーライ病院Benh Vien Cho Rayに対し1993年度から1995年度まで総額25億円の無償資金協力による病院改善を実施し,また1995年度から新たに「ヴェトナム杜会主義共和国チョーライ病院プロジェクト方式技術協力」を開始している.この度,1997年2月から3月にかけて,本プロジェクトの一環として脳神経外科分野技術協力短期専門家として派遣された.目的は技術指導,特に今回のプロジェクトにより初めてヴェトナムの脳神経外科に導入されたmicroscopeのセットアップ,およびその技術指導—micro—neurosurgery—であった.
チョーライ病院の歴史は仏領インドシナの時代に遡り,サイゴン市チョロン地区の市民病院として1900年に創立された.その後,コーチシナ住民病院,ラリュン慈善病院,415病院とその名称を変え,1957年にチョーライ病院となった.フランス支配の時代はフランス陸軍病院,第二次世界大戦中は一時,日本陸軍病院としても機能していた.そして,1961年ヴェトナム戦争が始まりチョーライ病院も荒廃したが,1971年から日本政府の無償資金協力により病院を新築し再出発した.新病院はサイゴン陥落の10ヶ月前1974年6月に完成し,東南アジアで最も大きな病院のひとつとなった.
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