海外事情
ヴェトナムの血液透析事情
朴 勺
1
1滋賀医科大学泌尿器科
pp.550-551
発行日 1999年6月20日
Published Date 1999/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413902697
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私は1998年12月17日から8日間、ヴェトナムのハイファン総合病院(ハイファン医科大学附属病院)へ2度目の訪問をしました(写真1)。ハイフォン市は,近郊も含めると人口約180万人のヴェトナム第3の都市であり,港湾都市として知られています。市の北方へ車で約2時間のところに,ヴェトナムでも屈指の景勝地であるハロン湾があります。静かな海面から大小1,000の奇岩が突き出ていて,幻想的な雰囲気を漂わせています。「海の桂林」ともいわれ,世界遺産にも登録されています。
第1回目の訪問(1997年12月31日から4日間)については,本誌52巻6号の「ヴェトナムの泌尿器科医」で紹介させていただきましたが,そのときは,同病院のHuong院長から腎移植の講演の依頼を受けての訪問でした。ヴェトナムでは,全国で腎移植が15例ほどしか施行されていないとのことでした。海外(中国やフィリピン)で腎移植を受ける患者もいるが,実態は把握できていないとのことでした。ヴェトナムでの慢性腎不全の治療が,私にはよくわからなかったこともありましたが,血液透析の費用が高すぎるというのであれば,腎移殖は経済的な観点からも歓迎されるのではと漫然と考えていました。
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