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特集 第37回日本臨床眼科学会講演集 (その2)
学術展示
Specular microscopeによってとらえられる角膜周辺部の病態
Specular microscopy of corneal limbus
江波戸 文秀
1
,
葛西 浩
1
,
崎元 卓
1
Bunshu Ebato
1
,
Hiroshi Kasai
1
,
Takashi Sakimoto
1
1日本大学医学部眼科
pp.292-293
発行日 1984年3月15日
Published Date 1984/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410209116
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緒言Speculor microscopyの適応は角膜内皮に止まらず,最近では上皮あるいは実質にまで及ぶようになり角結膜疾患の病態の理解に役立っている。一方透明組織である角膜に臨床上観察される変化,例えば細胞浸潤,新生血管,浮腫などのうち角膜周辺部にみられるものは比較的多く,その発生機序には未解決のものがある。今回我々は,角膜輪部近傍に発生する病変に対しspecularmicroscopyを行い興味ある所見を得たので,これらを臨床上細隙灯顕微鏡検査により観察される知見と比較し検討を行ってみたので報告する。
症例1:アレルギー反応。19歳,女性。春季カタル(眼球型)。13歳時よりアレルギー性結膜炎として近医にて加療を受けていたが,1983年4月より視力低下があり緑内障と診断され当院を紹介される。保存的療法では眼圧低下が見られず,視機能障害の進行があるため手術療法を施行し現在経過観察中である。入院中に充血と掻痒感が強くなり,新生血管のある上方角膜輪部に小水疱を伴うやや隆起した帯状の混濁が出現した。
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