扉
教育改革と脳機能開発
栗栖 薫
1
1広島大学脳神経外科学
pp.855-856
発行日 1995年10月10日
Published Date 1995/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436901089
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今春広島大学の統合移転が終了し,私共のいる霞キャンパス(医学部,歯学部,原医研)を除いて他学部はほぼすべて東広島市の西条キャンパスに移転した.大学の学生人数,敷地面積ともに日本有数となった.今年の日本医学会総会の会頭を務められた飯島宗一元広島大学学長の構想以来20数年を要した.また,教養部を廃止して総合科学部として発足し20年が経過した.そして,我が医学部は今年創立50周年を迎え8月5日にその祝賀会が挙行された.戦後50周年と相俟って社会の変遷,国際化,経済の変化などに関連して今また大学の教育改革の真っ只中にある.
各大学白書が出版され,自己評価・点検の立場から現時点の問題点と将来への展開が示されている.学部教育改革の基本は,教養的教育と専門的教育をうまく融合させそれぞれを生かすことにある.即ち,幅広い視野と総合的な判断力を養い,全体感をもった専門性が生かされることである.医学部においても,昨年より従来の総合科学部2年専門課程4年という基本パターンはなくなり,6年一貫教育となった.2年次から学部の基礎講義実習が開始されるが,医学専門英語などは通年で4年次まで組み込まれている.また医療情報学,医療国際協力学,医用工学なども2年次に学習し,被爆地広島という歴史的教訓を生かして被爆者健康管理,被爆者対策史なども履修する.
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