扉
歩いて17年
柴田 尚武
1
1長崎大学脳神経外科
pp.309-310
発行日 1992年4月10日
Published Date 1992/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436900423
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- 文献概要
表題は「徒歩通勤17年」という意味である.現在住んでいる山手の団地に家を建てたのが昭和49年であるので,大学病院に歩いて通勤して17年になる.最初の1年間はバスに乗ったり,歩いたりの試行錯誤だったのが,満員バスが苦痛なこと,バスの待ち時間とバス停往復の時間を合わせると所要時間はそう変わらないこと,そして何よりも「車も無けりゃ,免許もない」こと等の理由により徒歩通勤を始めた.雨の日も風の日も,そして雪の日も毎朝歩いている.幸い病気で欠勤ということもないので,365日×17年歩いたことになる.帰途も,ごくまれに院外に出た以外は,ほとんど毎日歩いている.
団地の急坂を下ると,すぐ登り坂になる.聖フランシスコ病院を左手に見て登りきると,なだらかな下り坂になり,浦上天主堂の前に出る.ここから再び坂を登り始め,医学部グランドの横を通り,医学部正門を過ぎて,少し下り再び登ると病院正門に出る.ここまで書いて来て気付いたが,新大学病院が完成したのが昭和五十年であるから,私の徒歩通勤の歴史も新病院の歴史と共にあることになる.全行程ちょうど30分かかる.水・金・土は朝8時前に出て8時半には着く.月曜日は手術なので30分早く出る上火・木は7時半から抄読会があるので6時過ぎに出る.少し早く出るのは遅刻しないためである.冬なんかは星がまだ見えることがある.ラッシュアワーの影響を一切受けないので,一度も遅刻したことがない.
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