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この度,平成3年11月14日から16日までの3日間,東大脳神経外科高倉公朋教授を会長として第4回国際小児脳腫瘍シンポジウムが東京の笹川記念館で行われた.7年前(1985年),当時名古屋大学脳神経外科の教授であられた景山直樹先生(現市立岸和田病院院長)が,小児脳腫瘍を主題とした初めてでもあり,また極めて有意義であった国際会議を美しい伊勢湾を見おろす鳥羽のホテルで開催されたことが記憶に真新しいが,その後,1989年にシアトルで,また1990年には,フィラデルフィアで同様の会がもたれた.従って,今回,はじめてこの会がら“第4回”と名付けられたが,まさに名実ともにpediatric neuro-oncologyに関しては世界で最も重要な国際学会の地位を築いたといえる.米国やカナダはもとより,ヨーロッパやアジアの各国から現在第一線で活躍している著名な学者が数多く参加したが,トロントのHoffman教授,ニューヨークのEpstein教授,サンフランシスコのEdwards教授,マルセーユのChoux教授など.私たちにおなじみの小児脳神経外科学会のリーダーのみならず,サンフランシスコのDavis教授やIsreal教授などの基礎腫瘍学者,ニューヨークのFiniay教授,ワシントンのPacker教授など臨床腫瘍学者など,豪華な顔ぶれが揃った.会の主なテーマとしては,小児脳腫瘍の分子生物学と病態,小児に特徴的な腫瘍であるmedulloblastoma, PNET, craniopharyngioma, germCell tumorおよび脳幹や視神経のgliomaが取り上げられた.全体で102題の研究発表がなされたが,学会秘書兼進行係でもある東大松谷助教授の細かい心遣と采配により,整然としかも和やかに会が進められた.適度な大きさの一会場ですべての演題が発表されたため,討論にもすべての参加者が加わり極めて活発なものであった.積極的な外科的治療を主張する脳神経外科医と保存的治療を主張する腫瘍内科医の問での激しいやりとりなどもこの会の特徴であったが,おかげで問題点が浮き彫りにされ,参加者は小児脳腫瘍の治療に関してまさにUp-olateを学ぶことができた.
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