Japanese
English
総説
脳血管攣縮とProtein Kinase C依存性収縮機構
Cerebral Vasospasm and the Protein Kinase C-Mediated Contractilc System
浅野 孝雄
1
,
松居 徹
1
,
多久和 陽
2
Takao ASANO
1
,
Tohru MATSUI
1
,
Yoh TAKUWA
2
1埼玉医科大学総合医療センター脳神経外科
2筑波大学臨床医学系内科
1Department of Neurosurgery, Saitama Medicad Center/School
2Department of Clinical Medicine, Tsukuba University
キーワード:
Vascular smooth muscle
,
Cerebral vasospasm
,
Protein Kinase C
,
Subarachnoid hemorrhage
,
Diacylglycerol
,
Lipid peroxidation
Keyword:
Vascular smooth muscle
,
Cerebral vasospasm
,
Protein Kinase C
,
Subarachnoid hemorrhage
,
Diacylglycerol
,
Lipid peroxidation
pp.207-219
発行日 1991年3月10日
Published Date 1991/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436900224
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I.はじめに
くも膜下出血(SAH)後の脳血管攣縮(VS)について,既に多くの臨床的,基礎的知見が集積されているにも拘らず,その発生機序は依然として謎に包まれている.現時点において必要なことは,その謎のよって来る所以を明確にし,今後の研究の方向を見定めることにあると思われる.
さて脳血管攣縮という言葉自体は,薔薇の名前(IINome della Rosa)のように,もともと本質の知られていない病態につけられた一つの記号に過ぎない.たとえば,新たに見いだされた病気がその発見者の名前で呼ばれるように.しかし,多くの研究者の直観的な理解に従って,この病態は動脈壁平滑筋の持絞的な収縮を意味する血管攣縮(vasospasm)という言葉で言い表されてきた.従来の研究の主流は,この直観に基づいて,脳動脈平滑筋を直接的,且つ持続的に収縮させる生体内物質を発見しようとするものであった.
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