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I.はじめに
頭部外傷により,小脳症候を呈することは比較的稀である.その頻度は,0.4-0.7%と言われている7,12).もし,この様な患者を診た場合には,後頭蓋窩血腫をも疑う必要があると言われている.頭部CTの普及した今日では,後頭蓋窩血腫の診断は,決して困難ではない.しかしながら,小脳症候の検査が可能な程度の,意識障害の比較的軽い頭部外傷患者の場合には,その患者が小脳失調を呈して,小脳の挫創が疑われても,実際にCTで小脳の異常が証明されることが少ない,ということもまた事実であるように思われる8).
MRIは,骨のアーチファクトによる影響をうけないため,特に後頭蓋窩の観察に,その威力を発揮する.また,CTでは検出されない様な,小さな脳挫傷や脳浮腫を,MRIは描出することができるということも知られている2,3,5,10).
Abstract
Four cases of cerebellar dysfunction following head trauma are presented. Cerebellar signs revealed were those such as dysmetria, dysdiadochokinesis, horizontal nystagmus and ataxia. T2-weighted magnetic resonance (MR) imaging (0.15tesla, spin-echo method; TR 2000msec. and TE 100msec.) revealed focal lesions in these patients, although CT scan failed to demonstrate any changes in the cerebellum.
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