Japanese
English
研究と報告
MRIで大脳,小脳の萎縮を呈した若年アルコール依存症の1例
A Case of Alcohol Dependence Syndrome with Atrophy of Cerebrum, Cerebellum on MRI
斎藤 信太郎
1
,
石原 修
2
,
大橋 健二
2
,
尾上 正孝
3
Shintaro SAITO
1
,
Osamu ISHIHARA
2
,
Kenji OHASHI
2
,
Masataka ONOUE
3
1山梨県立中央病院精神科
2山梨県立中央病院神経内科
3山梨県立中央病院放射線科
1Department of Psychiatry, Yamanashi Prefectural Chuo Hospital
2Department of Neurology
3Department of Radiology
キーワード:
Alcoholic cerebellar atrophy
,
Magnetic resonance imaging
,
MRI
,
Alcohol dependence syndrome
Keyword:
Alcoholic cerebellar atrophy
,
Magnetic resonance imaging
,
MRI
,
Alcohol dependence syndrome
pp.519-522
発行日 1999年5月15日
Published Date 1999/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405904771
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【抄録】 MRIで大脳,小脳の萎縮を呈した30歳女性アルコール依存症の1例を報告した。アルコールせん妄状態では精神症状として不眠,小動物幻視,幻聴,体感幻覚様体験,せん妄があり,神経学検査では両手の振戦,躯幹失調,失調性歩行,衝動性眼球運動がみられた。失調性歩行や躯幹失調は断酒により24日後には改善したので一過性のものと判明した。MRIでは大脳皮質の萎縮があり,小脳では小脳虫部の山頂や山腹にシダの葉状に萎縮がみられたが,虫部の小舌や中心小葉などの虫部前部に萎縮がみられなかったのでアルコール小脳変性症とは診断できなかった。しかし,大脳,小脳萎縮はアルコールによって引き起こされたと考えている。
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