Japanese
English
短報
MRIで右海馬に限局した病変を認めた非ヘルペス性急性辺縁系脳炎の1例
A Case of Non-herpetic Acute Limbic Encephalitis, Showing a Lecalized Lesion at the Right Hippocampus on an MRI Image
大塚 達以
1
,
都甲 崇
1
,
市川 泰広
1
,
千葉 秀行
1
,
上原 久美
1
,
辛島 文
1
,
塩崎 一昌
1
,
杉山 直也
1
,
平安 良雄
1
Tatsui OTSUKA
1
,
Takashi TOGO
1
,
Yasuhiro ICHIKAWA
1
,
Hideyuki CHIBA
1
,
Kumi UEHARA
1
,
Aya KARASHIMA
1
,
Kazumasa SHIOZAKI
1
,
Naoya SUGIYAMA
1
,
Yoshio HIRAYASU
1
1横浜市立大学医学部精神医学教室
1Yokohama City University School of Medicine
キーワード:
Non-herpetic acute limbic encephalitis
,
Hippocampus
,
Magnetic resonance imaging
Keyword:
Non-herpetic acute limbic encephalitis
,
Hippocampus
,
Magnetic resonance imaging
pp.435-438
発行日 2006年4月15日
Published Date 2006/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405100252
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はじめに
辺縁系脳炎は大脳辺縁系に限局した病変を伴う脳炎の総称であり,その主な症状は記憶障害と情動障害である。急性期には発熱や意識障害・てんかん発作などを伴うことがあり,こうした場合には比較的容易に診断されるが,これらの随伴症状が目立たずに記憶障害のみが主症状である場合には痴呆性変性疾患との鑑別が問題となることも少なくない。辺縁系脳炎の原因としては単純ヘルペス脳炎の頻度が最も多いが4),その他に傍腫瘍性辺縁系脳炎3)や自己免疫疾患に伴う辺縁系脳炎の存在が知られている。一方,それらの範疇に分類できない辺縁系脳炎の存在が近年明らかにされ,非ヘルペス性急性辺縁系脳炎6)などと呼ばれ注目されている。今回,亜急性に発症した記憶障害を主症状とし,MRI上右海馬に限局した病変を認め,種々の検査の結果非ヘルペス性辺縁系脳炎の診断に至った1症例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する。
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