脳神経外科をとりまく医療・社会環境
脳神経外科と働き方改革
馬場 武彦
1
Takehiko BABA
1
1社会医療法人ペガサス馬場記念病院
1Baba Memorial Hospital
キーワード:
limitation on overtime work
,
task shifting
,
night or day duty permission standard
,
self-improvement
,
legal obligation to medical treatment
Keyword:
limitation on overtime work
,
task shifting
,
night or day duty permission standard
,
self-improvement
,
legal obligation to medical treatment
pp.859-865
発行日 2020年9月10日
Published Date 2020/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436204284
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Ⅰ.はじめに
政府の「働き方改革」推進の流れの中で,2016年9月に「働き方改革実現会議」が発足し,翌2017年3月,「働き方改革実行計画」が決定された.これを基に2018年6月,「働き方改革関連法案」が可決・成立した.2017年の「働き方改革実行計画」の中で,医師については時間外労働規制の対象とするが,医師法に基づく応召義務等の特殊性を踏まえた対応が必要であるとされた.具体的には,改正法の施行期日の5年後を目途に規制を適用することとし,医療界の参加の下で検討の場を設け,質の高い新たな医療と医療現場の新たな働き方の実現を目指し,2年後を目途に規制の具体的な在り方,労働時間の短縮等について検討し,結論を得るとされた.
これを受けて,2017年8月より厚生労働省において,「医師の働き方改革に関する検討会」が立ち上げられ,筆者も構成員に選任された.「医師の働き方改革に関する検討会」の報告書は2019年3月に取りまとめられ,5年間の準備期間の後に2024年4月より施行される予定である.医師の働き方を大きく変えるものであり,とりわけ脳神経外科医に与える影響は多大であろうと予想される.一方,報告書には地域医療提供体制を守る観点からの配慮も多くみられ,医療機関は内容を吟味した上で適切な対応が求められている.
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