Japanese
English
論説
ディープフェイク技術を応用した手術説明支援システム
Deepfake-based surgical explanation support system
西山 大介
1
,
福井 大輔
1
,
山中 学
1
,
山田 宏
1
D. Nishiyama
1
,
D. Fukui
1
,
M. Yamanaka
1
,
H. Yamada
1
1和歌山県立医科大学整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Wakayama Medical University, Wakayama
キーワード:
deepfake
,
task shifting
,
informed consent
,
shared decision-making
,
generative AI
Keyword:
deepfake
,
task shifting
,
informed consent
,
shared decision-making
,
generative AI
pp.1101-1104
発行日 2024年10月1日
Published Date 2024/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei75_1101
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は じ め に
わが国の医療は医師の自己犠牲的な長時間労働により支えられており,危機的な状況であると2019(平成31)年には指摘されていたが1),その後も状況は大きくかわることはなかった.長らく見過ごされてきた医師の長時間勤務問題であるが,政府が主導する働き方改革関連法が2024年4月よりいよいよ医師に対しても適用されるようになった.病院勤務医の過重労働の緩和・解消には病院勤務医の人材確保が重要であるが,迅速な増員は望みにくいため,厚生労働省は課題解決のためタスクシフトを推進している2).勤務医のタスクシフトは,医師以外でもできる業務に関して他職種への移管をすすめる試みで,先進国の医師不足対策として医師から看護師,医師事務作業補助者などへの業務移管が多く論じられてきた.
ディープフェイク(deepfake)とは深層学習(deep learning)と偽物(fake)を組み合わせた造語であり,人工知能(AI)を応用した画像・映像合成,生成技術をさす.政治家へのなりすましやフェイクニュースなどへの悪用が懸念されるため否定的なイメージがあるが,その根幹の機械学習アルゴリズムはさまざまな領域への応用の可能性を大いに秘めている.
本研究の目的は,手術説明のタスクシフトにディープフェイク技術を応用した支援システムが有用か否かについて検討することである.
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