Japanese
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読者からの手紙
慢性硬膜下血腫術前評価にDiffusion画像を含む頭部MRI検査は必要かもしれない
Preoperative Diffusion MR Images may be Necessary for Patients with Chronic Subdural Hematoma
林 祐一
1
,
藤岡 裕士
2
Yuichi HAYASHI
1
,
Hiroshi FUJIOKA
2
1岐阜大学大学院医学系研究科神経内科・老年学分野
2国立病院機構関門医療センター脳神経外科
1Department of Neurology and Geriatrics, Gifu University Graduate School of Medicine
2Department of Neurosurgery, National Hospital Organization Kanmon Medical Center
pp.448-449
発行日 2018年5月10日
Published Date 2018/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436203747
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藤岡裕士先生らの「穿頭術前にCreutzfeldt-Jakob病の合併が判明した慢性硬膜下血腫患者の1例」(No Shinkei Geka 45:1011-1014,2017)1)を興味深く拝読しました.慢性硬膜下血腫とCreutzfeldt-Jakob病(以下,CJD)は,神経症状が類似することもあります.転倒後の慢性硬膜下血腫では,「血腫による症状の出現」によるものか,「転倒を来した基礎疾患の増悪」によるものか,を明確に鑑別する困難さを感じるときがあります.本論文は,脳神経外科医を対象とした教訓的症例報告ですが,脳神経外科にコンサルテーションする内科医にも広く読まれるべき重要な論文と思い,筆をとりました.
頭部CT検査を行った場合,慢性硬膜下血腫を指摘することは比較的容易で,画像所見に診断医の注意が集中しがちです.患者の症状や神経所見のすべてが血腫によるものかどうかの判断は,やや経験が必要かもしれません.一方,CJDは,頭部CT検査で診断することが困難な疾患で,CT所見からはまずCJDの合併の有無を指摘することは不可能です.逆に,CJDを疑わせる急速進行性の認知症や,その他の神経症状がある場合には,診断のため,頭部MRI diffusion画像(DWI)を選択します.しかし,一般医のCJDの遭遇率は低く,「CJDの疑いをもつ」こと自体が難しいかもしれません.プリオン2016東京宣言2)では,世界中の多くの人にプリオン病を知ってもらうことを重要項目の1つとして掲げており,治療研究や国際共同研究と並行して,プリオン病になじみのない医療者にも広く疾患の知識の共有が必要といえます.
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