扉
寧静致遠
黒﨑 雅道
1
1鳥取大学医学部脳神経外科
pp.757-758
発行日 2017年9月10日
Published Date 2017/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436203588
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昨年7月1日に教授を拝命し,もうそろそろ1年になるが,この1年間で当初の計画をどのくらい達成することができたのだろうか,と反省の毎日である.教授就任祝いにと,広島東洋カープの九里亜蓮(くり・あれん)投手の伯父(大学の同級生)からチケットを2枚もらい,昨年の8月6日にマツダスタジアムで広島対巨人戦を観戦した.私のルーツはどうも広島県(父親は竹原市,母親は三原市の出身)にあるようだが,子どもの頃から大の巨人ファンである.私が小学5年生の時に,カープが赤ヘル旋風を巻き起こし,球団創設以来,初めての優勝を飾った(ちなみに,この年,ジャイアンツは長嶋茂雄監督就任1年目で球団創設以来初の最下位であった).普段,何も買ってくれなかった父親からプレゼントされた赤いキャップを被って遊んでいたことは,私の人生における消し去りたい過去の1つである.
試合前には,巨人ファンに育てた小学4年生の息子と平和記念公園を訪れ,2カ月前にオバマ前大統領が献花した原爆死没者慰霊碑に手を合わせた.試合のほうはと言うと,3塁側の席でありながら,赤い装いをした人々に囲まれて,とても肩身の狭い思いをしながらの観戦ではあったが,幸いわが読売巨人軍は勝利した.当日は,ピースナイターと銘打って,いくつかのセレモニーも催され,白熱した試合展開のなかにも厳かな雰囲気を味わうことができた.近隣諸国の危機にさらされながらも,平和な時代に生きていることに感謝したひと時であった.
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