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I.はじめに
脳浮腫領域における白質組織内での重要な変化は白質細胞外腔への異常な水分増加とその移動である1,3,4,7,9,11,12,14-17).vasogenic edemaの代表的実験モデルとされるcryogenic injury modelでは,脳浮腫液の源泉は血管の透過性に由来し9),その移動は,生じたpressuregradientsによるbulk flowと考えられている1,7,14,15).しかし,この実験モデルでは,同時に起こる頭蓋内圧亢進や脳浮腫領域での組織液圧が実験群によって異なる7,12)などの頭蓋内環境の変化を伴う.そのため浮腫液が移動する際どのような生理学的変化が白質組織に起こっているかを検索することは困難である.
一方infusion edema modelでは11,16),脳浮腫液の源泉は白質内に注入する液体成分に由来し,その移動は注入圧と正常白質組織圧との間に生じたpressure gra-dientsによる.さらに注入する水分量および成分量は任意に変化させることが可能である.そこでわれわれは白質内水分量を経時的に変化させた際に生ずる,白質組織の液体移動に対する組織抵抗,および組織コンプラでアンスの変化について検索し,浮腫液の白質内移動に関して,白質組織の生理学的変化を明らかにすることを試みた.
The important changes in the area of brain edemaare the accumulation and the spreading of edemafluid through the extracellular space in white matterof the brain. In this study, we described the changesof tissue resistance and compliance as the increment ofaccumulated volume of fluid produced by the slowinfusion of normal saline or plasma into white matterof the cat brain.
Adult cats (22) were tracheotomized, paralyzed withGalamine (2mg/kg) and maintained normocapnic,normotensive under nitrous oxide anesthesia.
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