Japanese
English
総説
悪性腫瘍の温熱療法—脳腫瘍治療への応用の可能性
Hyperthermia in Cancer Therapy: The application to brain tumor
田中 隆一
1
Ryuichi TANAKA
1
1新潟大学脳研究所脳神経外科
1Department of Neurosurgery, Brain Research Institute, Niigata University
キーワード:
Hyperthermia
,
Cancer treatment
,
Brain tumor
,
Radiofrequency heating
Keyword:
Hyperthermia
,
Cancer treatment
,
Brain tumor
,
Radiofrequency heating
pp.7-19
発行日 1982年1月10日
Published Date 1982/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436201449
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I.はじめに
悪性腫瘍に対する治療としては,手術療法に放射線療法や化学療法,さらに最近は免疫療法を加えたいわゆる集学的治療が一般的となっている.しかしながら,切除不能例や再発例の場合はこれらの治療法を駆使してもその成績はきわめて不良であり,これら従来の治療法の改良または全く新しい治療法の開発が望まれている現状であろう.
最近,悪性腫瘍に対する温熱療法hyperthermia(hy-perthermotherapy)に関する基礎的研究が集積され,温熱療法の抗腫瘍効果が評価されるにいたり,この治療法が悪性腫瘍の第5の治療法となり得るのではないかとして,その発展に多大な関心と期待が寄せられている.最近では,新しい加温方法や他の治療法との併用療法の開発などと相まって,その適応は拡大され種々の悪性腫瘍に対して臨床応用も試みられている,はたして,温熱療法は悪性腫瘍の新しい治療法となり得るであろうか.
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