Japanese
English
解剖を中心とした脳神経手術手技
内頸後交通動脈瘤,内頸前脈絡叢動脈瘤の手術手技
Surgical Techniques for Internal Carotid-Posterior Communicating or Anterior Choroidal Aneurysms
佐野 圭司
1,2
Keiji SANO
1,2
1東京大学
2帝京大学脳神経外科
1University of Tokyo
2Dept. of Neurosurgery, Teikyo University Hospital
キーワード:
Aneuysms
,
Internal carotid artery
,
Posterior communicating artery
,
Anterior choroidal artery
Keyword:
Aneuysms
,
Internal carotid artery
,
Posterior communicating artery
,
Anterior choroidal artery
pp.21-28
発行日 1982年1月10日
Published Date 1982/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436201450
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I.はじめに
内頸動脈から後交通動脈が分岐する部,あるいは前脈絡叢動脈が分かれ出る部に発生する動脈瘤は頭蓋内動脈瘤のなかでも重要な位置を占めている.例えば1980年末までにわれわれの経験した動脈瘤数(多発動脈瘤も含むので,ここでは動脈瘤の個数を示す)は1,038個で,そのうち左内頸後交通動脈瘤が167個,右のが143個,合計310個(29.9%)であった.また内頸前脈絡叢動脈瘤は左23個,右24個,計47個(4.5%)であった,両者を合わせると全動脈瘤数の34.4%を占めることになる.また以上の2種類の動脈瘤に似ているが,それより近位側に発生するもの,すなわち眼動脈の分岐部より遠位側で後交通動脈の分岐部より近位に発生する動脈瘤,すなわちPia3)によりparaophthalmic aneurysmと呼ばれたものにほぼ当るもの(後述)は左右それぞれ4個ずつで,これを加えると全動脈瘤数の35.2%を形成することになる.ちなみに前交通動脈瘤は265個(26%)であった.
したがって,この部の動脈瘤は前交通動脈瘤とともにくも膜下出血時,遭遇する機会が最も多い病変であるといえよう.
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