海外だより
MalisとDrakeの手術を見て
西本 詮
1
1岡山大学脳神経外科
pp.682-684
発行日 1981年5月10日
Published Date 1981/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436201338
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ニューヨークMt.Sinai病院のMalis(Leonard I.)はparasellartumorとacoustic neurinomaの手術で有名ですが,このたびtuberculum sellae meningiomaの手術を見る機会を得ました.手術場は広く,macroの手術もmicroの手術もそれぞれ2台ずつのテレビで見えるようになっているほか,neuroradiology(NR)直結のテレビもあり,手術の様子はNRにそのまま放映されるし,NRのフィルムの所見も手術室のテレビで見ながら討論できるようになっています.MalisとHuang(Yun P.)がお互いに別棟でテレビを見ながら説明し討論する光景はまことに連絡がよく感心させられ主した.また手術台の横にはMalis創案の圧コントロール吸引瓶,bipolarを使用してもテレビの映像が乱れない仕組みの電力盤等を組み合せた移動可能の箱があり(Fig.1),ここから手術用の吸引を行うのみならず,術者や助手のマスクの下にも両側からパイプを入れて吸引し,涼しく快適に眼鏡も曇らずに手術ができるようになりています.ファイバースコープのヘッドランプをつけ,眼鏡には拡大鏡をつけ,両頬には両側から吸引管が入り,まことに物々しく宇宙飛行士を見るような感じです.
手術は朝9時頃から始まりますが,まずレジデントが開頭します.
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