特集 第21回日本脳神経外科学会
学会抄録
XII.定位手術(I)
荒木 千里
1
,
松岡 健三
2
,
北川 晃
2
,
魚住 徹
2
,
岡本 英三
2
,
南 俊之介
2
,
渡辺 雅夫
2
,
榊 三郎
2
,
堀 浩
3
,
内海 庄三郎
3
,
金沢 敬之介
3
,
山家 健一
3
,
鎌田 喜太郎
3
,
宮高 進
3
,
京井 喜久男
3
,
宮本 誠司
3
,
榎 光義
3
,
渡辺 茂夫
4
,
大江 千広
5
,
六川 二郎
6
,
鈴木 朗夫
6
,
広恵 俊雄
6
,
陣内 伝之助
6
,
西本 詮
6
,
奥村 修三
6
,
井奥 匡彦
6
,
河田 三郎
6
,
和田 豊治
7
,
後藤 昭
7
,
小笠原 暹
7
,
鈴木 昭男
7
,
半田 肇
8
,
佐野 圭司
9
,
長谷川 弘
10
,
矢嶋 浩三
10
,
楢林 博太郎
11,15
,
植木 幸明
16
,
吉田 充男
12,15
,
伴 忠康
13
,
原 俊夫
14
,
原 常勝
14
,
中村 希明
14
,
徳永 純三郎
14
,
三宅 等
14
,
斉藤 昌治
14
,
竜 倫之助
14
,
長尾 明典
11,15
,
長畑 正道
15
Chisato Araki
1
1京都大学医学部外科
2阪大武田外科
3奈医大第2外科
4中京病院脳外科
5東大脳研生理
6岡大脳神経外科
7弘大精神科
8京大第1外科
9東大脳神経外科
10新大脳外科
11順大神経科
12東大神経科
13阪大解剖
14慶大神経科
15神経学クリニック
16新大脳神経外科
1Dept. of Surgery, Faculty of Medicine, Kyoto Univ.
pp.178-184
発行日 1963年2月1日
Published Date 1963/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406201423
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〔103〕てんかんに対する皮質下諸核破壊術の検討
多量の抗てんかん剤の服用にかかわらず,なお頻回の発作を有する"てんかん"患者に対し,当教室においては十数年来主として皮質下錐体外路性運動核の破壊による治療法の研究を行なつてきた。破壊部位はレンズ核,黒質,橋核及び赤核である。破壊法は初期には特殊な切截刀によるものであつたが,その後稀薄昇汞水による注射法に変え現在は定位的手術法を採用している。手術患者総数は107名でこのうち5年以上の遠隔成績の判明したもの41例についての治療効果は,一括すると著効13例,有効14例,不変10例,悪化2例であつた。罹病年数の短い者に良結果が得られる傾向がうかがわれた。レンズ核破壊例25例では,全治4例,略治2例であり,橋核破壊例は全治1例,略治1例であつた。患者の性別,年令,発作型とは有意の関係はなかつた。
てんかんのごとき複雑な病態を有する疾患を只一つの方法で治療せんとすることは無理があり,発作型により種々の方法があつてしかるべきであると考える。我々は最近,臨床的にまた脳波学的に皮質に焦点を認めず,むしろ皮質下焦点を推測せしめる患者7例に定位的赤核破壊術を行ない,その6例に良結果を得た。まだ術後日浅いので効果を云々し得る段階ではないが,我々の行なつている方法を述べ,また剖検により,その位置を確認し得た例について述べた。
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