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聴覚性脳幹反応—記録法と臨床応用
Brainstem Auditory Evoked Responses
橋本 勲
1
,
石山 陽事
2
,
戸塚 元吉
3
,
江部 充
2
Isao HASHIMOTO
1
,
Yoji ISHIYAMA
2
,
Genkichi TOTSUKA
3
,
Mitsuru EBE
2
1東京都立府中病院脳神経外科
2虎の門病院生理学科
3虎の門病院耳鼻咽喉科
1Department of Neurosurgery, Tokyo Metropolitan Hospital of Fuelm
2Department of Physiology, Toranomon Hospital
3Department of Otolaryngology, Toranomon Hospital
キーワード:
Brainstem auditory evoked responses
,
Far field recording
,
Brainstem lesions
,
Monitoring brainstem function
Keyword:
Brainstem auditory evoked responses
,
Far field recording
,
Brainstem lesions
,
Monitoring brainstem function
pp.431-436
発行日 1978年5月10日
Published Date 1978/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436200807
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I.はじめに
近年,ヒト頭皮上より検出される聴覚性誘発反応について潜時が10msec以内のきわめて小さな一連の電位変動が注目されている.この電位変動は7つの波成分より構成され,再現性に富み,意識水準の変化や麻酔の影響を受けにくい,きわめて安定した反応であることが知られている.この反応の起源が脳幹聴覚路にあると推測されることから,一般には聴覚性脳幹反(brainstem auditory evoked responses,BERあるいはBSR)と呼ばれているが,far field acoustic response1)あるいはfas vertex responseeと呼ぶ研究者もいる.いずれにせよ,本反応が最近注目されるようになったのは,すでにいくつかの臨床報告から,本反応を用いた脳幹障害の診断への期待であり,その有用性について余り異論はない.しかし本反応は発見されてからまだ日も浅く,その電気生理学的基礎について,未解決な多くの問題が残されている.本論文では,この反応を理解する土で必要な記録法,生理学的な基礎および臨床応用について,われわれの得た知見を中心として述べる.
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