増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第5集
生理機能検査
脳神経機能検査
聴性脳幹反応
加我 君孝
1
1東京大学医学部耳鼻咽喉科
pp.860-861
発行日 1994年10月30日
Published Date 1994/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402910044
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検査の目的・意義
聴性脳幹反応(auditory brainstem response:ABR)は1970年にアメリカのJewett,イスラエルのSohmerによって見いだされた聴覚誘発電位の一つである.末梢性難聴の診断,聴神経腫瘍の診断,脳幹障害や脳死の診断の必須検査の一つとなっている.ABRが無反応であれば高度難聴か,蝸牛神経障害か脳幹死,ABRが正常であれば難聴はなく,脳幹障害もないというように,単純に考えて誤診をする例も少なくない.ABRの性質を知り正しく記録すること,ABRの結果を正しく評価できることが必要である.
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