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Ⅰ.はじめに
最近の脳動脈瘤に対する外科的治療の進歩は目ざましく手術成績も著しく向上し,手術死亡率も5-10%以下になったと報告されている.しかしながら術前に意識状態の悪いものすなわちgradeの重症なものは依然として手術死亡率が高いようで必ずしもよい成績をおさめていない.gradeの重症なものに対する手術の時期および適応については論議のあるところであるが,手術成績を向上させるためにともすると手術せずに放置される傾向もないとはいえない.
動脈瘤破裂によるくも膜下出血早期の意識障害の原因としては種々の要因があるが,そのもっとも重要なものは頭蓋内圧亢進である.それをもたらすものには急激な多量のくも膜下出血による脳腫脹,血性髄液の循環吸収障害,脳内出血,血管攣縮およびそれに伴う脳梗塞などがある.今回は破裂動脈瘤による脳内血腫例をとりあげ,手術の時期および適応,救命しえた例と死亡例との比較などについて検討した結果を報告する.
A remarkable increase in successful operation of intracranial aneurysm is seen in recent years and it has been reported that operative mortality rate has decreased to under 5-10%. In spite of the above statement however, in severe cases preoperatively, it appears that the mortality is still high and it may not be said that operative results are good. Thus there is much argument about the timing of operation and operative indications in serious cases.
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